失われた神宮寺の五重塔 AR・VRで再現

LINEで送る
Pocket

ヘッドマウントディスプレイを装着して神宮寺のまち歩きを体験する参加者

諏訪市中洲神宮寺の諏訪大社上社本宮周辺でまちづくりを進める「上社周辺まちづくり協議会」が公立諏訪東京理科大学(茅野市)と連携し、明治維新の廃仏毀釈で失われた神宮寺の五重塔や普賢堂などをAR(拡張現実)やVR(仮想現実)技術で再現するシステム開発を進めている。18日には本宮東参道の活動拠点「桔梗屋」でAR、VRの体験会があり、まちづくりに向けた可能性を確認した。

市によると、神宮寺は諏訪大社上社本宮境内から南方の丘陵地一帯にあった宮寺関係の総称。門前町も栄えたが、普賢堂や五重塔、鐘楼、釈迦堂など多くの建築物が廃仏毀釈で破却され、仏像などは各地の寺院に移された。跡地は現在、マレットゴルフのコースになっている。

AR、VRで神宮寺を体験できるシステム開発は3年目の取り組み。同協議会事務局で同大客員研究員の内堀法孝さんが、同大工学部情報応用工学科の三代沢正教授(国際情報通信学)に相談したのがきっかけで、三代沢教授の研究室でアプリケーションの開発に取り組んできた。

具体的には、現存する図面などに基づいて五重塔と普賢堂を3次元CGで再現し、本来存在していた場所にタブレット端末をかざせば、実際の風景にCGを重ねて表示する。また、頭部に装着する映像表示装置「ヘッドマウントディスプレイ」(HMD)で仮想空間に入り、明治時代の門前町や普賢堂、五重塔を散策することもできる。

体験会には、開発に携わった同大4年の友廣大地さん(22)=岡谷市片間町=と赤田星成さん(22)=宮城県登米市出身=が訪れ、システムの仕組みや使用方法を説明。協議会役員や関係者がHMDで仮想現実を体験し、「わーすごい」「五重塔はかなり高いな」「廃仏毀釈で分散した仏像を集めてみたい」などとうれしそうに話していた。

三代沢教授は「新しいテクノロジーで地域社会に貢献していきたい」とあいさつ。同協議会の小島実会長は「最先端の技術を使えば立派な建物を復元できる。過去を掘り起こし、神宮寺をアピールしたい」と意気込みを語った。協議会と同大は今後もシステム開発を進め、タブレット端末を活用したまち歩きや、桔梗屋での仮想空間体験などに役立てたい考えだ。

おすすめ情報

PAGE TOP