2020年11月20日付

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かつて「田舎」と言えば、マイナスの印象が強かった。都会との対比から「あかぬけない」「やぼったい」といったイメージがつきまとった。地方出身者は「田舎者」と呼ばれたりもした▼近年は田舎暮らしがもてはやされるようになったが、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、地方での就職や移住を考える「地方回帰」の動きが加速しているという。過密による感染への不安に加え、先行き不透明な経済情勢の中、働き方や人生を見つめ直す人が増えたことも一因とされる▼テレワークの普及も後押ししているようだ。どこでも仕事ができるのであれば、わざわざ満員電車に揺られ、物価の高い都会に住む必要はない。とはいえ、何でもそろう都会の便利な生活に慣れた人たちが地方で暮らすことにはためらいもあるだろう▼そんな地方の課題解決につながるか。伊那市の取り組みが注目されている。人工知能(AI)を活用した乗合タクシー、移動診察車によるモバイルクリニック、小型無人機ドローンを使った買い物支援-。ビジネス誌「プレジデント」最新号では2ページにわたって取り上げている。小見出しには「世界最先端のド田舎」とある▼ある首長は「コロナで日本のカタチが変わる」と言い切る。これまで遅々として進まなかった東京一極集中の是正につながるという見立てだ。そのときに受け皿となれるのか。田舎の真価が問われる。

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