大叔父 茂春の研究集大成 桃澤さん宅で展示

LINEで送る
Pocket

茂春が詠んだ歌を正岡子規が最優秀に選び、直筆した選歌稿を手にして眺める桃澤匡行さん

飯島町本郷の郷土史家桃澤匡行さん(88)が22日から、祖父の弟で明治時代に歌人や日本画家として多能に秀でながらも33歳で夭逝した桃澤茂春(本名・重治、画名・如水、1873~1906年)の作品や関係資料をまとめた展示を、茂春の生家でもある自宅で開く。桃澤さんが半生を掛けて研究してきた集大成を披露。一般に公開して、茂春の功績を顕彰する。事前の観覧予約制で29日まで。

桃澤さん宅や親類宅に残された茂春の遺作や収集資料など数十点を展示。東京美術学校在学中に描き、1897(明治30)年の第2回絵画共進会で褒状3等を得た「寒崖落月図」など絵画は30点ほどが並ぶ。

歌関連では、歌会で茂春が詠んだ「こよひはやなき魂かへる牛はあれど馬はあれども雨ふる悲し」を、師であった正岡子規が最も優秀として直筆した選歌稿も出品する。

子規のほか同人の伊藤左千夫、飯田市出身で明治期を代表する日本画家菱田春草ら、歌壇、画壇などで幅広い人脈もあった茂春。江戸時代の画家曾我簫白の研究では論文を残し、現在の学術に通じている。

桃澤さんが大叔父でもある茂春の研究を始めたのは1965(昭和40)年。地元の西岸寺で伊那史学会が茂春の作品を持ち寄る展示会を開いたことが契機となり、全国各地の図書館などを巡って原典を徹底的に調べるようになった。

どこに資料があるか分からない中で、1冊の本を求めて大阪市の市立図書館に足を運んだことも。当初はコピーもなく、手書きで写すなど苦労しながら地道に調査を続けた。2012年からまとめに入り、翌年から18年までに資料集を7巻刊行。今回はその完結記念として展示を企画した。

「若くして亡くなったため茂春が残した作品は少ないが、これを機会に多くの人に知ってもらえれば」と桃澤さんは話している。

おすすめ情報

PAGE TOP