伝統とデジタル融合 八つ縄文織り都内で発信

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「八つ縄文織り」を広げながら師匠の高木さん(右)に今後の構想を語る別府さん

諏訪地方で古くから受け継がれてきた手織りの技法にパソコンの表計算ソフトを用い、柄を自由に拡大、縮小する表現要素を加えた織物「八つ縄文織り」。考案者の高木義一朗さん(73)=諏訪市清水=の教え子、別府ちなみさん(53)=神奈川県=が今秋、首都圏を中心に広く発信しようと、都内にショールームを構えた。高木さんは「諏訪の織りの文化が受け継がれ、広く発信される。大変うれしい」と喜んでいる。

別府さんは以前から、諏訪地方の風土や文化に魅力を感じ、一時期は岡谷市で手織りを学んだ。5年ほど前には高木さんが経営するいちき糸店(諏訪市清水)で体験織りをしている。「八つ縄文織り」を本格的に学ぶようになったのは同店での体験織りから1年後。再び店を訪れた際に感じた高木さんの温かな人柄と織物に対する情熱、表計算ソフトを用いたデザインの可能性、パソコン上で思い描いた通りに仕上がった時の達成感、伝統とデジタル技術が融合した独特の織り方にすっかりとりこになった。体調を崩したのがきっかけで自らの人生と向き合い続けてきた中で出合った「八つ縄文織り」に、「求めているものはこれだ」と直感した別府さん。「計り知れないエネルギーを秘めた美しさがあり、まさに神様からの贈り物」と感謝の気持ちを持ちながら技能習得に努めた。

別府さんはこの魅力を諏訪の文化とともに伝えていこうと、お気に入りのファッションブランドで店の常連でもあった「アマルフィー」に相談したところ、「八つ縄文織り」の良さを理解した同社のオーナーが東京・四谷の店の一角をショールームとして提供してくれた。同店周辺には外国の大使館も多く、「この織りの良さが東京から世界にも広がれば」と別府さんは夢を語る。

新たな挑戦を師匠の高木さんに直接報告しようと、諏訪の訪問を熱望しつつもコロナ禍で控えていた別府さんだったが、意を決して19日にいちき糸店を訪れた。近況を聞いた高木さんは「諏訪の織りの技術がこのまま消えることなく、業として伝承されていく可能性を感じる挑戦。大いに期待したい」と大喜びでエールを送っていた。

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