Go Toでにぎわう駒ケ根高原 観光客増加

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愛知県日進市から研修旅行に訪れ、自由時間に談笑する老人クラブの会員たち=19日、駒ケ根高原

新型コロナウイルス感染症の影響を受けてきた上伊那地方の観光地に、政府の観光支援策「Go To トラベル」を利用した観光客の入り込みが続いている。飲食店を支援する「Go To イート」も始まり、経済効果への期待が高まる。感染拡大が続く中、観光客らは感染に気を付けながら旅をし、迎える側も徹底した対策を講じる。関係者に話を聞いた。

■安価ツアー人気

中央アルプスを望む駒ケ根市の駒ケ根高原には連日、県外からの観光客が訪れ、最終盤を迎えた紅葉や温泉入浴を楽しんでいる。

「旅行を決定するまでは、いろいろと悩んだが、実行すると、みんな喜んだ。やって良かった」。19日に訪れた愛知県日進市の老人クラブ「岩崎神明いきいきクラブ」の木全(きまた)良治会長(74)は、駒ケ根高原周辺の山々を見ながら安堵(あんど)した。会にとって年に1度の研修旅行。今年は日帰りのできる伊那谷を選び、駒ケ根市内で昼食をとり、飯田市でリンゴ狩りを楽しんだ。

参加した老人クラブの会員38人は検温、手指消毒をしてマスクを着け、2台の大型バスに分乗した。車内は感染防止のため、水分補給はできても飲食は禁止。それでも参加した70代の女性は「久しぶりの旅行で楽しい」と喜んだ。コロナ禍で巣ごもり状態が続き、「足腰の弱りを感じ、運動になればと参加した」という女性もいた。

名鉄観光バス(名古屋市)の運転手(49)によると、移動自粛となった今春からの半年間は「全く仕事が無く、グループ会社で副業を続けた」が、秋からはツアーの問い合わせが増加。「安価なツアーに人気があり、毎日忙しい。毎月ツアーに参加してくれるお客さんもいる」とうれしそうだ。「お客さんの安全確保が大事。絶対にコロナを発症させないよう対策を徹底している」と語気を強める。

駒ケ根観光協会によると、駒ケ根高原一帯がにぎわい始めたのは9月下旬。今年は中ア山麓の紅葉が鮮やかで、10月に東京のGo To トラベルが解禁されると、一気に関東からの観光客が増えた。

■クーポンも一役

中央道では、長野伊那谷観光局(伊那市)の管理で、高速料金の割引と上伊那での宿泊や食事、温泉入浴などに使える「伊那谷ドライブクーポン」を販売したこともあり、駒ケ根観光協会では「ドライブクーポンの使用が始まると一気に観光客が増え、他のクーポンに対する問い合わせも増加した」と傾向を話す。

中央アルプス観光(駒ケ根市)が標高約2600メートルの中アで展開するホテル千畳敷では、感染対策で客室16室の定員(70人)を通常より減らして営業する。例年比では減収だが「Go To トラベルがあったので、ある程度は予約のキャンセルを防げた」と制度の実施を評価する。

特に旅行代金の15%相当額を使える地域共通クーポンは同社が運行する駒ケ岳ロープウェイの乗車賃や土産購入、ホテル千畳敷のレストランで「使い切ってくれる方」が多く、予想を大きく上回る利用があった。

さらに同社は、中央道下り線で県内最南端にあるサービスエリア「駒ケ岳SA」のレストランや売店を営業。地域共通クーポンは、発券した都道府県と隣接する都道府県エリアしか使えないため、県内や隣県で発券したクーポンを使い切ろうと、駒ケ岳SAで食事や土産購入に使う旅行者が目立ち、売り上げが伸びたという。

■飲食業界続く低迷

「お客さんから『Go To イートの食事券を買いたいから(販売する)郵便局を教えて』と突然言われて驚いた」というのは、駒ケ根名物のソースかつ丼を提供する飲食店主。飲食業界は今春からコロナ禍で来店者数が伸びず経営が冷え切っている。現在新型コロナは”第3波”の襲来と言われるが、店主は「飲食業界では第1波と第2波、第2波と第3波の間に業績が回復したわけではなく、現実には第1波からの低迷がずっと続いている感じ」と嘆く。

Go To イートは「少しでも売り上げにつながれば助かる」としながらも「きょうの売上金を、あしたの仕入れに充てる小さな飲食店は、現金化に時間が掛かるクーポンでの支払いは、苦労が多いと思う」と指摘した。

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