折り鶴に願い込め記念画 伊那市高遠の遠照寺

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折り鶴を使った絵の制作に取り組む巻木さん(左)と松井住職

新型コロナウイルスの影響で1年延期した伊那市高遠町山室の遠照寺の開創1200年記念祭りに向け、折り鶴で描く記念画の制作作業が佳境に入った。檀家や地域住民らが手作りした約5000羽の鶴を使用。一つ一つの鶴に折った人の願い事が書かれており、多くの思いが込められた大作が来年4~6月の祭りで展示、奉納される。

同寺は820年に天台宗開祖の最澄が建てた薬師堂が始まりとされ、1473年の日朝上人の来訪で日蓮宗に改宗し、名を天福寺から遠照寺に改めた。現存する日蓮宗最古の釈迦堂は改宗後間もなくの建立とみられ、堂内に安置する多宝小塔とともに国指定重要文化財。昨年、寺全体が日蓮宗宗門史跡に指定された。

記念画は釈迦堂の上空に虹が現れ、鶴が遠照寺に降り立つデザイン。サイズの異なる7羽の鶴で遠方からの来訪を演出した。うち6羽は小さいものから順にインド、中国、日本、最澄建立の薬師堂、天福寺、遠照寺を指し、仏教の伝来と寺の歴史を表す。最も大きい7羽目は経巻をくわえており、多くの祈りを釈迦にささげる姿を表現した。

空や釈迦堂周辺の林、ハスの花畑も全て、5~11・8センチ四方の紙で折った鶴で描く。松井教一住職(65)は「地域で守ってきた寺。地域の皆さんと何かを作り、みんなの思いを形にしたかった」と企画の原点を語る。県内外の檀家や地域住民ら200人近くが協力。「家族の健康などささやかな願い事が多く、一羽一羽が尊い」と目を細める。

今月18日、いよいよキャンバス(F120号)に折り鶴を貼る工程に入った。企画の発案者で、中心的に制作に携わる巻木立子さん(70)=富士連鶴の会(静岡県富士市)会員、同県在住=が泊まり込みで作業。松井住職と相談しながら進め、「皆さんが苦労して折った思い、祈り、願いをつなぎ合わせる手伝いをさせてもらっている」と話す。

巻木さんと同寺は30年来の付き合い。巻木さんは記念画制作に当たって多くの場所に足を運び、類似作品の調査や材料の選定などに奔走。各箇所に使う鶴の個数も元数学教師の巻木さんが面積から計算したといい、松井住職は「彼女なしでは実現しなかった」と感謝する。巻木さんは24日ごろまで寺に滞在し、絵を仕上げる予定。

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