2020年11月27日付

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高原の湖は心地よさにあふれていた。晩秋の色彩も関係しているのかもしれない。ほとりや周囲の山、草原が落ち着いた枯野色になり、落ち葉を踏みながら歩くとほっとした気分になった。蓼科湖、白樺湖、女神湖。紅葉を終えると出向く機会が減っていた自分にとって新しい発見だった▼白樺湖で開かれた野外イベント「湖畔の時間2020」では、晩秋の安らぎ空間に癒やしの音楽と体験が加わった。テント、テントサウナ、こたつ、じゅうたん、たき火の炎のゆらめき。訪れた人はゆったりと時間が流れる湖畔で思い思いに過ごした▼若い人は癒やしや心身が落ち着く状態を「チル」と表現する。SNS(交流サイト)を通じてチルなひとときや体験などを共有することも流行しているらしく、「湖畔の時間」の写真や動画も数多く投稿された▼小欄で以前、デンマーク人特有の概念「ヒュッゲ」を取り上げたことがあるが、それに近いとも感じる。自然や家庭の中で居心地のよい時間を過ごし、小さな幸せを積み重ねる。ウィズコロナ時代を迎え、日本でも心の豊かさ、精神的価値観がより重視されてきたと思う▼同じ北欧のフィンランド。人々は湖畔時間を大切にし、湖を眺めて心を整えるとネット記事で読んだ。穏やかな湖面のように平穏に-。冬季結氷した湖からも心の安定が得られるかもしれない。自分自身、湖畔を訪れる日が増えそうである。

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