2020年11月30日付

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新型コロナウイルスの国内感染者数が毎日のように過去最多を更新し、重症患者も増加傾向にある。医療現場の負担は確実に増えているはずなのに、病院の医師が一斉に退職したとか、大学病院が地方の関連病院から医師を引き揚げたという話を聞かない▼岡谷市の健康保険岡谷塩嶺病院から日本大学医学部が撤退したのは10年前の春だった。当時の岡谷市は塩嶺病院と市立岡谷病院を経営していて、医師確保や財政状況の厳しさから二つの公立病院を統合し、新病院(現岡谷市民病院)を建設する計画を進めていた▼日大医学部は統合の経過から長年担ってきた心臓血管外科などの高度広域医療や若手医師の教育ができなくなると判断し、大学関連病院の解消を決めた。全国では医療崩壊が頻発し、医師が去り職員は生活の糧を失った▼塩嶺病院を退職して大学に戻る時、岡谷市出身の畑博明院長がこんな言葉を残している。「ものすごい大きなエネルギーが集まったときに何かが変わる。それを絶やさないように、周りから温かくエネルギーを与え続けることが大事だと思います。途中で投げ出さないように、諦めないで、着実に、周りを見て、周りを尊重して事を成熟させてほしい」▼新型コロナの影響で病院や診療所の経営が悪化している。医師の頑張りだけで地域の医療現場は守れない。今こそ、それぞれの立場から温かいエネルギーを届けたい。

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