昨年度の虐待相談が過去最多 県諏訪児相

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県諏訪児童相談所(諏訪市)は、2019年度の児童虐待の状況をまとめた。管内の相談対応件数は前年度比67件増の452件で過去最多を更新。子どもの安全を確保するための一時保護は2人増の82人で、児相や児童養護施設、里親などでの一時保護は延べ2773日に及んだ。里親制度の普及が「虐待防止につながる」として、保護者の適切な養育を受けることができない子どもの成長を地域で支える「社会的養護」への理解と協力を呼び掛けている。

諏訪児相の管轄区域は、諏訪6市町村と上伊那北部の4市町村。虐待の種類は、子どもが家庭内暴力を目の当たりにする「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」を含む「心理的虐待」が、前年度比18件増の274件で最も多かった。続いて「身体的虐待」が26件増の101件、「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」が27件増の72件、「性的虐待」が4件減の5件だった。

主な虐待者は、実母が213件で全体の47・1%、実父は201件で44・5%を占めた。虐待を受けた子どもの年齢別だと、小学生が158件(35%)に上る。3歳以上学齢前が114件(25・2%)、0~3歳未満が84件(18・6%)、中学生が62件(13・7%)など。

相談の経路だと、警察からの通告が168件と最多で、面前DVの増加もあって年々増えている。市町村103件、家族・親戚45件、学校など40件、近隣・知人37人などが続く。児童本人からの相談は6人増の10人で、子どもが自ら「SOS」を発する事例も顕著になってきた。

一時保護の場所は中央(長野市)と松本(松本市)の各児相が25人、児童養護施設など児童福祉施設は34人、里親などは23人で、「1日当たり7~8人のお子さんをどこかで預かっている状況」(諏訪児相)という。児童福祉施設への入所措置は99人で、うち70人が虐待を受けていた。

児童虐待の状況報告は、先ごろ諏訪市役所であった市要保護児童対策地域協議会の代表者会議で行われた。諏訪児相の職員は、家庭に子どもを受け入れ、児相と連携して成長や自立を支える「養育里親」の確保と充実が求められるとして、数日から1週間程度預かる「短期間の里親」の普及にも意欲を示した。

また、子どもの育ちに対する理解者や支援者が増えていくことが「児童虐待の防止をはじめ、さまざまな権利侵害から子どもを守る地域社会につながる」とした。同協議会は社会的養護の担い手確保に向け、里親制度の周知と普及に取り組むことを確認した。

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