被害者に目を向けて 韓国の写真家が写真展

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古民家で福島第1原発事故の被災地を撮影した写真展が始まる

古民家で福島第1原発事故の被災地を撮影した写真展が始まる

東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故被災地の福島を撮り続けている韓国の写真家で百済芸術大写真科教授のチョン・ジュハさん(58)の写真展「奪われた野にも春は来るか」が20日から、富士見町烏帽子の古民家「和の家」で始まる。チョンさんは「被害者として苦しんでいる福島の人たちに目を向けなければいけない」と話す。9月2日まで。

2003~07年に韓国の原発4カ所の周辺に住む人々の不安を撮影したチョンさん。植民地支配を受けた朝鮮半島の歴史と重ね合わせ、「被害を受けたのはどういった人たちだったのかを伝え、苦痛を受けた人たちの連帯を問い掛けたかった」と福島第1原発事故が起きた11年被災地を訪れた。11月から12年2月まで、福島県南相馬市を中心に撮影した。

写真展では民家の庭に実るカキ、静かな集落のたたずまい、里山や海岸風景、汚染土を詰めた袋が並ぶ朝鮮学校の校庭など横約90センチ、縦約60センチの大きな写真28点を展示する。チョンさんは「悲惨な事故があっても自然は美しい姿のまま。苦しみが二度と繰り返されないよう国を超えて力を合わせようと思ってもらえたら幸い」と話す。韓国と被災地を行き来する中で、「風向きが違えばほかの地域に被害が及んでいたかもしれない。福島の事故は世界の人々に引き継がれるべき自分自身の問題であることが分かった」という。

写真展は同町の住民有志らでつくる「アウシュヴィッツ平和博物館富士見友の会」(藤井知恵子代表)と「3・11を忘れない有志の会」(滝沢清次代表)、同平和博物館(福島県白河市)が、「原発事故への関心が薄れる中、いまだに苦しんでいる多くの人たちがいる事実を見据えてほしい」と企画。チョンさんの写真展は12年に韓国で始まり、翌年から福島県内や上田市、松本市など日本国内8カ所で開かれている。

21日午後2時からはチョンさんと東京経済大教授のソ・キョンシクさんのギャラリートークがあり、チョンさんが展示されていない作品も紹介する。

入場無料。午前10時~午後5時。会期中無休。問い合わせは和の家(電話0266・65・3922)へ。

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