2020年12月6日付

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「ひょっとしたら自分は、ぼけるかもしれない」。頭をよぎることがある。若い頃から記憶力の乏しさを自覚してきたのだが、とみに顕著になってきた。ちょっとした恐怖感にとらわれる▼とにかく片っ端から忘れるのだ。言われたり、やろうと思っていたりすることがすぐ抜け落ちる。直後に別の会話や動作が挟まって気を取られると、もういけない。何かすべきことがあったはずとは覚えているが、何だったかを思い出せない。「重要なことだったらどうしよう」と、しばしば冷や汗も▼有名人などの顔は浮かぶけれど、名前はここまで出掛かっているのに出てこないことはざらだ。語彙力の衰えも実感する。ある状態や場面を表すのにぴったりな言葉が存在していることは分かっていても、なかなか頭の中に出現してきてくれない。どうにもすっきりしない▼体力や体の機能が低下するとともに、脳の働きも鈍ってきたようだ。一つの視点から離れられず柔軟な思考ができなくなっていることや、異なる意見を受け入れるのが困難になっている。頭を硬直化させない訓練が必要だろう▼老いへの抵抗感の半面で、「年を取るのも悪くない」「年を取るってかっこいい」と思うことも少なくない。年齢を重ねるに従っていい味を出している俳優の草刈正雄さんといった方々をお手本に、自然体で、それでいて努力を怠らない日々を過ごしていけたら理想的だ。

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