朗読劇を有線放送で披露 伊那市東部中演劇部

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朗読劇のせりふを交わす東部中演劇部。11月18日は第2話に取り組んだ。収録に向けて熱のこもった練習が繰り広げられた(撮影のためマスクを外しています)

伊那市東部中学校の演劇部は来年1月から、朗読劇「井月さ」を同市有線放送農協(いなあいネット)の番組で初めて披露する。コロナ禍の影響を受け、観客の前で演じる機会を奪われたため、新たな形の表現活動に取り組む。伊那谷を漂泊した俳人、井上井月(1822~1887年)を題材にしたオリジナルの台本を手にし、収録に向けて熱のこもった練習を繰り広げている。

物語の舞台は明治初期の伊那谷。貧困で学校に通えない子どもたちが井月に手習いをせがみ、読み書きを教わるストーリーだ。井月の句や口癖、童謡、地元の方言を織り交ぜながら、向上心を抱いて生きる子どもの姿を描く。

「井月さ、ええものっつうのはなんずら。早よ見してくんな」。1、2年生の部員らは壁の前で一列に並び、それぞれせりふを朗読する。10月上旬に台本を受け取ってから、練習は週3回ほど。どのページにも言い慣れない方言がずらりと連なり、発音に戸惑いながら読み進める。体を動かさず、声だけで感情を表すのが課題だ。

コロナ禍で、恒例の活動や発表がままならない同部。今年3月に県伊那文化会館(同市)で予定していた「演劇とプラネタリウムのコラボ」の出演から、9月の文化祭での上演まで、すべて中止になったという。

部長の生徒は逆境を乗り越え、「見知らぬ人から出向くことのできないお年寄りまで、大勢の人に聴いてもらえるチャンス。明るく朗読したい」と意欲を見せる。

同館認定の演劇アドバイザーで、脚本・演出を担当する阿部裕吉さん(72)=同市東春近=は「いろんな経験を積み、自分を表現する機会にしてほしい」と指導に力を注ぐ。

収録するのは全4話で、1話につき約20分。テーマ曲には、上伊那地方の合唱愛好者でつくる「伊那混声合唱団」が協力。同団常任指揮者の田中眞郎さんの作った新曲を歌い、花を添える。

朗読劇は、来年1月24日、2月14、28日、3月14日のいずれも午前6時40分から1話ずつ放送する。このほか期間中は専用チャンネルを開設し、いつでも聴くことができる。いなあいネットには、今年11月末時点で旧伊那市地区、南箕輪村の約6000世帯が加入する。

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