2020年12月11日付

LINEで送る
Pocket

茅野市高部出身の建築家、藤森照信さんが設計を手掛けた新高部公民館の建築工事が進んでいる。昔の火の見櫓をしのばせる柱も屋根の上にお目見えした。外構を含め来年5月の完成を予定する。高部に新たなフジモリ建築が加わる▼74歳の誕生日は古里で迎えた。先月21日、区民と一緒に杉板を三角柱に組み、筒の下に入れた新聞紙に着火。子どものような無邪気な笑顔で白い煙を見上げていた。表面を炭化して耐久性を高める伝統技法の「焼杉」。新公民館の外壁は真っ黒な自然素材で覆われる▼工事関係者の許可を得て、安全対策を講じ、足場を登らせて頂いた。県道側の屋根は銅板でふかれる。区民たちが曲げ、角材で叩いて凹凸をつけた銅板だ。4000枚以上に同じ物は二つとなく、それぞれに個性、表情がある▼作業には子どもたちも加わり、銅板叩きや焼杉板の消火を手伝った。「建築って、だれでもできることがあるんだよ」と藤森さん。高部の空飛ぶ泥舟、低過庵、浜松、近江八幡などの作品でも子どもや市民、施主らとの共同作業を大切にした▼自分の部材が使われる喜び、建物への愛着をだれもが感じていることだろう。素朴な風合いがまた、フジモリ建築のアクセントになっている。藤森さんのスケッチや作品の大型写真が並ぶ茅野市美術館を訪れてほしい。展示品は空想することの大切さ、アイデアを形にする楽しさも教えてくれる。

おすすめ情報

PAGE TOP