2020年12月16日付

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寒波襲来の知らせに、車のタイヤ交換を急いだ人が多いのでは。冬場は交通安全に何かと気を遣う。路面凍結への対策は欠かせないが、それだけでは不十分。夕暮れ時、早めのライト点灯ができているだろうか▼今月初旬のこと。上伊那地方の国道で黒い大きな物体が前方の暗闇から突然現れ、猛スピードで通り過ぎた。クマと遭遇したのではなく、正体は対向車。視界の悪い夕暮れ時に無灯火で疾駆する鉄の塊は、もはや便利な乗り物ではなく「走る凶器」と化していた▼日没が早まる年末にかけて、全国で夕暮れ時の交通事故が増える。警察庁統計だと、例年10~12月の同時間帯の死亡事故件数は、夏場に比べて約2~3倍へ跳ね上がる。道路状況や歩行者に対する、ドライバーの視認性の低下が主な要因とされる▼無灯火のドライバーの問題点は「自分が見えているから大丈夫」と思い込む事だという。これが落とし穴だ。「相手からも見える」状態こそが、相互注意を促し安全性を高める。暗闇を照らすライトは、対向車や歩行者にとっても深刻な事故を防ぐ大切なサインであると再認識したい▼年末の交通安全運動が始まった。チラシには「早めにライト点灯」の啓発文。人波作戦でのぼり旗を掲げた関係者には、同じ願いが宿っているはずだ。周囲が薄暗いと感じたら車の点灯スイッチを入れる。この動作一つで、幾つもの尊い命が失われずに済む。

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