GoToトラベル停止 キャンセル相次ぎ危機感

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政府の観光支援事業「Go To トラベル」を28日から来月11日まで全国一斉に一時停止すると菅義偉首相が表明したことを受け、15日は諏訪地域の宿泊施設や旅行会社で予約のキャンセルが相次いだ。観光関係者は危機感を強める一方、感染拡大の「第3波」が続く中では受け入れざるを得ないという声も聞かれた。「トラベル」をめぐる街の声を取材した。

下諏訪町の温泉旅館「ぎん月」では15日夜までに14部屋がキャンセルになった。武居智子社長(53)は「大都市圏を中心に医療が崩壊しかけていることを考えれば仕方がない」としながらも、GoToトラベルをめぐる混乱に触れて「今回もまた、現場が振り回された」と嘆いた。

諏訪市のRAKO華乃井ホテルは満室だった年末年始の「予約半減」を懸念。書き入れ時の一時停止に、予約担当責任者の男性(42)は「何でこの時期なんでしょう」。白樺湖畔のホテル経営者は「もっと早めに手を打つべきだった」と指摘し、「大変厳しい経営状況になった」と危機感を募らせた。

岡谷市の旅行代理店、全日本旅行は割り引きが適用されなくなった経緯を説明しながら、旅行の意思を1件ずつ確認しているという。林正勝社長は「経済を止めないと言っていたのにあまりに急」と政府の方針転換に困惑し、「楽しみにされてい方々に申し訳ない」と心情を吐露した。

諏訪市の会社員男性(49)は「トラベル」を活用し、来月1日に家族と上諏訪温泉に泊まる予定だったが、14日に解約した。正月以外は連休が取れない仕事で4カ月前から楽しみにしていた。「医療従事者を思えば納得できるが、利用したくでもできない人がいることを知ってほしい」と語気を強めた。

JR茅野駅前で客待ちをしていたタクシー運転手(70)は「また生活が厳しくなる」とこぼした。諏訪市の「そば割烹やしま」の渡辺伸一社長(50)は「地元の人が外食しようと思わなくなってしまうことが心配」と語り、消費者心理への影響を考慮した政策決定を求めていた。

行政担当者は情報収集を徹底し、キャンセルの動向と影響を注視している。

諏訪市は、県民の宿泊料金を1人1泊2000円割引く独自の誘客支援事業を来月5日から予定通り行う方針だ。GoToと併用できる制度だったが、市経済部は「残念だが県内からの誘客で宿泊施設を応援したい」と語る。

富士見町は、11月15日に終了した観光施設の割引クーポン券の継続を検討中という。利用対象に飲食店を加えることも視野に入れ、来月中旬の発行を目指して準備を進めている。「感染症の影響を受ける事業者の支援につなげたい」と話している。

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