諏訪のひき逃げ死亡事故 被告に懲役2年10月

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諏訪市四賀飯島の市道で昨年8月、乗用車の運転中にスマートフォンに気を取られ、歩行中の同市の会社員古牧峻輔さん=当時(21)=をはねて立ち去り、死亡させたとして自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた当時21歳の男性被告(18)の判決公判が18日、地裁諏訪支部で開かれた。手塚隆成裁判官は懲役2年10月(求刑懲役3年6月)の実刑判決を言い渡した。

判決などによると、被告は昨年8月21日午後11時半ごろ、運転中にカーナビの下のセンタートレイに置いたスマホの画面に表示された無料通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージを読むために画面に視線を移し、前方左右を注視せず、時速約40キロで運転して急制動する間もなく古牧さんをはねて走り去った。古牧さんは約8時間半後に急性硬膜下血腫で死亡した。

手塚裁判官は判決理由で「安全運転に一層の注意が必要な深夜の運転にも関わらず、スマホ画面に視線を移したことは危険な行為」とした上で、 前方注視を怠った距離は少なくとも約43・6メートルで約3・9秒に相当するとし、「時間としても長い」と指摘。また、弁護側が情状酌量を求めたスマホを手で保持していなかった点については「運転中に画像表示用装置に表示された画像を注視することは道路交通法により明確に禁止されている」とし、「スマホを直接手で保持していなかったからといって、過失の程度が重大ではないとは到底いえない」と述べた。事故の約3分後に現場に戻ったが責任回避的な言動を取ったこと、法廷での軽い印象を与えた謝罪の言葉も非難した。

弁護側は保護観察付きの執行猶予判決を求めていた。

閉廷後、被害者参加制度を利用して実刑を強く求めていた古牧さんの母親(55)は「遺族感情が伝わったと感じる」と一安心しつつも、「息子が帰ってくるわけではない。スマホは運転中に必要のないこと。これからもながら運転は厳しく処罰してほしい」と涙ぐんだ。

遺族の代理人弁護士は「スマホは手に持っていようがいまいが関係なく、前方を注視していないことが問題。ながら運転は厳罰が定着しつつあり、これからの警鐘になる判決」と述べた。

被告弁護人は控訴について、本人と話し合って決める意向を示した。

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