2020年12月26日付

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 「ごしたい」。間違いなく一番用いる方言であり、師走に入ると発する頻度が格段に増える。「疲れた」では状態を表せない。やはり「ごしたい」である▼他方、「ずら」はめっきり使わなくなってしまった。「~だろう」「~でしょう」という意味で用いる。山梨の奈良田方言「ドゥラ」が元ともされているが、諸説あり起源は不明だ。1980年代は山梨、静岡のほぼ全域、長野県の主に中南部、愛知の一部で使われていたが、2010年代の調査では東海2県で「ずら」を使う県民が激減していた▼国立国語研究所の大西拓一郎さん(言語地理学)から聞いた話である。2県は「だら」の台頭で「ずら」が衰退したらしい。そういえば自分も「~だら」は多用している。甲信地方にも”侵攻”してきたのだろうか▼諏訪市のゲストハウスや飲食店などが連携して作った弁当「諏訪弁 ほいじゃねェ」が、JR東日本の駅弁グランプリで最高賞に輝いた。ほいじゃねェは「また会おうね」の意味で親しい人同士が別れ際に交わす。諏訪の方言と弁当を掛け合わせて、再会への思いを伝え合うネーミングも美しい▼旅情を感じさせる方言。地元を離れた人にとっては、自分と古里をつなぐ大切な言葉であろう。コロナ禍で年末年始に帰省できなくても、スマホやパソコンで両親や兄弟、友人らと方言てんこ盛りの会話をし、古里を少しでも感じてほしいと思う。

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