ネットロウシルク繰糸機 ハラダの技術で蘇る

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リニューアルしたネットロウシルク繰糸機と原田尹文会長(左)、高林千幸館長

岡谷市長地小萩の蚕業機械設計・製造のハラダが、群馬県安中市の製糸工場・碓氷製糸からの依頼を受け、「ネットロウシルク」の繰糸機5台をリニューアルした。ネットロウシルクは網状に繰糸された特殊な生糸で、生産しているのは碓氷製糸のみ。老朽化が進んだ繰糸機が、岡谷の企業が持つ製糸機械技術でよみがえった。

碓氷製糸は国内で稼働している四つの製糸工場の中で最大の工場で、15年ほど前からネットロウシルクの生産を行っている。近年では洋装のセーターやジャケット、マフラーなどに使われ需要が高まり、生産効率の向上が求められていたという。老朽化した繰糸機は6台あったうち1台は全く使えず、今回5台の改修を決めた。

繰糸機に組み込まれた機構は、岡谷市郷田にあった旧蚕糸・昆虫農業技術研究所製糸技術研究チームで当時チーム長を務めていた髙林千幸・岡谷蚕糸博物館長と中屋昭さんが、1995年頃に開発したもの。糸を網状に繰糸することで、かさ高で膨らみのある特殊な糸を繰製できる。

今回、碓氷製糸の製糸機械の整備などを担っていたハラダがリニューアルを請け負った。自社に持ち込んで解体して補修し、動かない部品は新たに作り、1カ月半ほどかけて完成させた。

25日は髙林館長がハラダを訪れた。「他国と競うには特殊な糸を作らなければ」と開発したといい、「ネットロウシルクの繰糸機は世界でもこの5台だけ。ハラダさんの技術がなければ直せなかった」と目を細めた。

ハラダの原田尹文会長(80)は「直すことができて安ど感と達成感がある。ネットロウシルクが脚光を浴び、さまざまな製品に使われることはうれしい」と話していた。28日には碓氷製糸に搬入するという。

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