師走”てんや日和” 角寒天づくり順調

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干し場で「天出し」作業を進めるマルゴ商店の従業員ら。陽気に恵まれて生産は順調だ=24日、茅野市西茅野

諏訪地方の冬の寒さを利用した角寒天づくりが、順調な滑り出しを見せている。朝晩は凍(し)み、日中はよく晴れる”てんや日和”に恵まれ、生産現場からは「師走にこんなにはかどるのは久しぶり」との声も。昨季は記録的暖冬の影響で大打撃を受けており、県寒天水産加工業協同組合(茅野市)は「この先も長期予報通りに寒い陽気が続けば」と期待している。

同組合によると、今季は諏訪地方と伊那市の加入16業者のうち、10業者の工場で製造している。早い工場では今月4日から原料の海藻を大釜で煮出し、生天を寒風にさらす天出し作業を開始。干し場には無数の寒天が並んでいる。

凍る、解けるを繰り返して仕上がるため、昼夜の寒暖差が不可欠。朝は氷点下7度前後まで冷え込み、日中はよく晴れて5~6度まで上がるのが理想だ。真冬並みの寒気が流入した今月中旬以降、こうした陽気が連続。工場が集積する西茅野では氷点下10度の日も数日あったという。

五味徳雄組合長は「昭和の時代、日が短い師走が最も生産に向くと言われたが、暖冬傾向の近年は当てはまらなくなっていた」とする。自身が経営するマルゴ商店(同市西茅野)は12日に釜入れをして始動。「この陽気なら2週間で商品が仕上がりそうだ。日照に恵まれていることも大きい」と話す。

陽気以外にも”追い風”があるようだ。「テングサなどの原料単価が一時より下がったのはありがたい」と、五味喜一商店(同市宮川茅野)の五味昌彦さん。感染症の影響による”巣ごもり生活”で健康食品が脚光を浴び、「4月以降、寒天の需要も持ち直した」。地域内需要が高まる御柱年にかけて消費が伸びていくことを期待する。

県内はこの先、寒さが緩む日があるものの、年末から再び冷え込む見込み。2月にかけては晴れる日が多く、寒天づくりが最盛期を迎える1月の気温は平年より低くなる可能性が高いと予想される。

組合全体で平年並みの80トンを生産する計画だ。昨季は過去最低の69トンにとどまっており、五味組合長は「”てんや日和”が最終盤まで続いてほしい」と願っている。

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