2016年08月23日付

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世間の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます―と言って深々と頭を下げる光景。昨今は行政や企業の不祥事ばかりでなく著名人のごく個人的な問題においても同様の姿を目にする。「何も私にまで謝ってくれなくとも」と思われるケースも散見され、「まず謝罪」が一般化したかのようだ▼例えば、生命や財産にかかわったり、誤りがあるなど不特定多数にかかわる問題が発生すれば謝罪は自然だ。だが、不倫や離婚など個人的な問題で頭を下げている姿は自然ではないだろう。頭を下げる相手が違うし、表立ってすることでもないだろう▼こうした現象に対し、専門家からは誰もがネットを通じて個人的な意見を発する環境にある点が指摘されている。スマートフォンの普及に伴い、自分のことはさておき、他人への非難、中傷が一般化し、著名人など攻撃される側にとっては大きな脅威になっているようだ▼しかも発信する側は、自らの身分や所在は明かさず、相手の真意や心情、置かれた状況も無視。当然、議論にはならず、課題解決にもつながらない。ただ、世間が忘れるのを待つだけの不毛な状況下に陥るという▼ネット時代は、多くが発言できる機会を得て、一個人の声が大きな課題解決にも反映される一方で、一個人が多くの攻撃にさらされるもろ刃の剣の状態。手軽には扱えても、安易には使用しないことが肝要なようだ。

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