達屋酢蔵神社の宝物3刀剣 輝き取り戻す

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修復・研磨を終えた刀を眺め、喜びもひとしおの五味信さん(左)と矢島光明委員長

茅野市横内の達屋酢蔵(たつやすぐら)神社の宝物で、さびや傷みが激しく、同神社評議委員会が専門家に修復・研磨を依頼していた刀剣3振りが輝きと風格を取り戻して同神社に戻った。2振りは高島藩ゆかりの品だとされ、約160年前に刀を同神社へ奉納した五味惣七さんから数えて6代ほどの子孫・五味信(まこと)さん(81)=横内=が費用を負担し、「先祖が残した宝を守ることができてよかった」と喜んでいる。同委は1月10日に、地元の横内、茅野町両区民を対象に刀のお披露目会を開く。

同神社の境内には「横内不動尊」が祭られる。記録によると、横内村には古来より護摩講があり、信者は行屋(ぎょうや)にこもって水行をし、護摩をたいてこの不動尊を信仰。高島藩9代藩主・諏訪忠誠が病気になったとき、横内護摩講が城中に呼ばれて祈祷(きとう)をしたところ病気が全快し、祈祷を行った惣七さんが褒美として2振りを賜ったという。

修復されたのは、「祐定」の銘が刻まれた長さ69.2センチの刀と、無名で42.2センチ、49.2センチの脇差し。研師や鞘師(さやし)によって、細部まで丁寧に仕上げられている。箱や保管用の鞘、袋なども新調した。いずれも、諏訪市博物館に寄託することが決まっている。

同不動尊の碑文には、惣七さんが同神社に刀を奉納した1858(安政5)年ごろは「飢餓と疫病が近郷近在に流行したが部落民は熱心なる祈願に依り罹病をまぬかれたという」などと記している。信さんは「コロナがまん延する今と重なるよう。刀にあやかり収束してもらえたら」と願い、同委の矢島光明委員長(67)は「横内の歴史を伝える宝を大事にしていきたい」と話している。

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