採火や聖火リレー参加 待ち望む平和の祭典

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2021年に延期された東京五輪・パラリンピック。県伊那養護学校(伊那市)では採火や聖火リレーへの参加が計画されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、いったん頓挫したが再び動き出した。感染症の収束が見えない中でも、児童生徒は大きな期待を寄せ、平和の祭典への関心を深めている。

ボッチャの体験を通して平和の祭典への関心を高める児童生徒たち=県伊那養護学校

「ボッチャ」授業で体験

同校によると、採火は8月12日にドングリの木をたいて行う計画。敷地内には豊かな「どんぐり林」が広がる。ドングリは学校のシンボルとして校章や校歌に登場するほか、子どもの工作にも使われている。

県のオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定され、2年目を迎えた同校。大会やスポーツ、共生社会への理解を深めようと、授業でパラリンピックの正式種目「ボッチャ」を体験している。講師は、長野冬季パラリンピックのアイススレッジスピードレース銀メダリストの加藤正さん=同市。子どもたちは車いすに座ったままボールを投げたり、足で蹴ったり。思い思いにゲームを楽しんでいる。

高等部2年の田畑大将さん(16)は仲間を見詰め、「障がいがあっても参加でき、誰でも楽しめるからいい。無事にパラリンピックが開催できるといいな」とつぶやいた。

学校のどんぐり林で笑顔を見せる唐木はなさん

走る姿を通し勇気届けたい

「走れる。うれしい」。聖火ランナーを務めるのは高等部3年の唐木はなさん(18)=宮田村町一区。生まれつき体や知能の発達が遅く、全国的に数少ない難病「SR欠損症」を抱える。4月2日に、電動車いすに乗り、走ることが内定した。20年の聖火リレーにも出場する予定だったが延期となったため、新たに参加を希望したという。再び巡ってきた大役。全身を揺らし喜びを表現する。

家族の影響で、幼い頃からスポーツが身近にあった。クロスカントリースキーの選手だった父や兄姉のため、自ら応援団長に。スキー板を履かせた車いすで駆けつけ、全力でエールを送った。夏には地域の人に背負ってもらいながらも、富士山に5回ほど登頂。スポーツの楽しさを味わい、世界を広げてきた。

聖火ランナーに応募したきっかけは、19年に受けた脊髄の手術。1カ月の入院生活を余儀なくされたはなさんに、母親の由見さん(59)は「これからの励みや生きる力になれば」と後押しした。晴れ舞台で「元気な姿を見せてほしい」と心待ちにしている。

本番に向けて、はなさんは自分の力で聖火をつなぐため、電動車いすの操作を練習。普段の生活にも取り入れている。走る姿を通して、届けたいのは「勇気」とはなさん。みんなに見てほしいと願い、「頑張ります」と弾ける笑顔を見せた。

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