2021年1月7日付

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恒例の初詣。時間帯もずれていたのか、今年はいつもの神社に長い行列はなかった。「分散参拝」の呼び掛けが届いたのだろう。境内には落ち着いた空気が流れていた▼新型コロナの猛威が止まらない。新年の初売りや観光など、経済も静かな滑り出しとなったようだ。日銀松本支店の昨年12月短観では、全産業の業況判断指数はマイナス26。3カ月前から改善したが、マイナスの状況は今後も続く見通しが示された▼コロナ禍の長期化は、社会的弱者から徐々に影響を広げている。厚労省は感染拡大に関連した昨年の解雇や雇い止めが、約8万人に上ったと発表した。今後も幅広い業種で雇用情勢や所得の悪化が予想される。正規職も例外ではない▼失業や困窮の深刻化に伴い、世界的にベーシックインカム(BI)が注目されている。生きる権利に基づき、職業の有無や給与水準に関係なく、すべての人に現金が支給される制度。日本でも全国民に10万円が支給された定額給付金で関心が高まった。ワーキングプア世帯の増加や生活保護制度の低い捕捉率などの問題改善も期待される▼財源確保や制度設計の難しさなどが課題とされるが、「新しい生活様式」の浸透や、AI、DXといった情報・デジタル技術の革新も進む。BIの議論は一例として、生活や仕事の大きな変化に向け、新たな発想や価値観への本格的な対応が迫られる年になるかもしれない。

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