東大寺元別当守屋弘斎師 米寿を祝う散華展

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色とりどりの散華が並ぶ展覧会の会場

色とりどりの散華が並ぶ展覧会の会場

東大寺長老で同寺第214世別当を務めた諏訪市出身の高僧、守屋弘斎師(88)の米寿を祝う散華(さんげ)展が、下諏訪町の諏訪大社下社秋宮前にある根津八紘美術館で開かれている。半世紀近い親交がある同町久保海道の黒田良夫さん(84)が企画したもので、黒田さんが描いた散華や色紙、守屋師の書などが展示されている。9月19日まで。

散華は、蓮の花びらの形をした紙に絵や文字などを描き、空にまいて荘厳(しょうごん)する法要上の道具。黒田さんは、自作した長さ15センチの散華を44枚出品した。畑や土手に咲く草花と野菜、東大寺大仏殿、菩薩、裸婦などを水彩や油彩、水墨で描いたり、小さな文字で般若心経をつづったりした。

散華は、守屋師や亡くなった知人にささげるために2枚ずつ描いたといい、展示した作品と同じものを東大寺に奉納するという。

会場にはこのほか、展覧会のために守屋師が寄せた書「無」や、昭和大修理の記念に作られた東大寺の散華が特別展示されている。黒田さんは15年ほど前に描いた山や花、自画像などの色紙15点を「添え物」として掲げた。

守屋師は1928年、諏訪市角間町生まれ。幼少年期に両親と死別し、祖父のいる東大寺知足院に入寺。96年に最高位の第214世別当になった。「お水取り」で知られる修二会(しゅにえ)の行には最多31回参加し、最も修二会に精通した僧侶とされる。

2人は60年代、大仏殿の高さを超える奈良県庁建て替え計画の反対運動に関わった黒田さんが、運動の中心にいた奈良薬師寺の高田好胤、東大寺の上司海雲(第206世別当)を介して知り合った。黒田さんは、別当就任を祝う諏訪の人々とともに東大寺を訪問し、御諏訪太鼓や木やりを奉納。守屋師も諏訪から訪れた人々と快く会うなどして、友情を深めてきた。

古里に一度も帰らない守屋師に「諏訪の言葉を伝えたかった」という黒田さん。「守屋さんは出家という覚悟を持ってきちんと生活した。これほど修行に励んだお坊さんを他に知らない。諏訪の人々に守屋さんのこと、東大寺の考え方、散華の意味を知ってほしい」と話している。

入館無料。開館時間は午前10時~午後5時。火曜休館。28日午後1時に予定されていたギャラリートークは中止になった。

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