2021年1月17日付

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「初心にかえる」。「最初の頃の純粋な気持ちに戻る」といった意味で使われる。いったんは抑え込んだと思われた新型コロナウイルスがぶり返し、再び緊急事態宣言が出される事態となった。ここはもう一度、初心にかえる必要があるのではないか▼未知のウイルスとの初めての闘い。恐怖心から感染防止につながることはすべてやろうと思ったはずである。そうした気持ちが一つになり、一時は下火になり、不安も和らいだ。そんな成功体験が今、マイナスに働いているように見える▼人は安全が高まると低下した分のリスクを埋め合わすような行動をとってしまうという。「リスク補償」と呼ばれる。感染防止の呼び掛けに対しても抜け穴を探すような行動に出てしまう。その積み重ねが現在の危機的状況を招いているのではないか▼政府のメッセージが弱いという指摘もある。しかし、箸の上げ下ろしのようなことまで言われなくてもこの1年で多くのことを学んだはずである。政府の言い方の是非はともかく、メッセージは明確ではないか。不要不急の外出を控えることである。おのずと会食や接触の機会が減り、感染リスクを回避できる▼もはや、いつ誰が感染してもおかしくない状況と言われる。「自分だけは大丈夫」といった身勝手な行動が医療を逼迫させ、経済にも大きな影響を与えてしまうことになる。そんな想像力を働かせる必要がある。

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