2021年1月18日付

LINEで送る
Pocket

食堂の日替わり定食のおかずにフキノトウの天ぷらが添えられていた。手に入ったから―と、一つ入れてくれたのだった。うれしくなって真っ先に口に運んだ。かみしめると、ほのかなフキの香りが広がり、独特の苦さに春の気配を感じた▼この冬は気温の変化が激しいように思う。まとまった量の雪が降り、冷え込みが続いたかと思えば、一転春のような陽気となり、里に積もっていた雪を消し去る。雪解けの水は乾燥しきっていた地面に染み込み、枯れ草がカサカサと音を立てていた土手を湿らせている▼大寒はこれからで、まだまだ厳しい寒さを覚悟しなければならないが、野山はもう目覚めているのかもしれない。日当たりの良い場所をよく見ると、土手の枯れ草の下で、春を待つ小さな植物が緑色の葉を広げている。フキノトウが顔を出していても不思議はなかった▼大学入試センター試験に代わる初めての大学入学共通テストは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2回に分けて実施する本試験の最初の日程が終わった。緊急事態宣言が11都府県に再発令されている中での新試験だけに、受験生の緊張はいつも以上だったと思う▼卒業や入学など、人生の大きな節目が間もなくやってくる。草木の芽吹きが力をくれる季節でもある。多くの人がその日を楽しみにしているだろうが、全ては新型コロナの収束が見えてこそだ。本当の春が待ち遠しい。

おすすめ情報

PAGE TOP