2021年1月20日付

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「ガサ、ガサ、ガサ」。車のアクセルを緩めて慎重に通過を試みるも、容赦なく車体をなでていく無数の枝葉。道路脇のやぶから車道に張り出した竹の話だ。新車購入直後に手痛い歓迎を受けたこともある。いまいましい。その一言に尽きる▼古くから日用品や建材、食品として親しまれてきた竹。成長が早く、真っすぐ伸びることから縁起物の一つとされる。国内ではモウソウチクとマダケが代表種だが、1日に1メートル以上伸びた記録もあるという▼その驚異的な成長スピードと繁殖力が災いし、放置された竹林が社会問題化している。増殖した竹が周囲の森林を侵食する「竹害」といった言葉も登場。竹材需要が低下する中、竹やぶの拡大防止や竹の新用途開発が急務となっている▼10年ほど前、中川村で荒れた竹やぶを整備し、竹の資源活用に取り組むグループ「夢里人」の発足を取材した。手探りで竹林の整備を進め、竹を使った肥料など新用途の研究に励むメンバーたち。”むりと”には「わざと」の意味があり「意図的に活動する思いを込めた」という初代代表の故湯澤賢一さんの言葉を思い出す▼弊紙上伊那版で昨年11月、間伐竹を原料とした土壌改良剤で栽培した米「竹米」が「米・食味分析鑑定コンクール」で3年連続高得点を記録したとの記事を目にした。これも「意図的」な活動成果。厄介者は資源になる。そんな認識が広がればいい。

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