2021年1月31日付

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少し気が早いが、「今年の漢字」に「再」を挙げたい。ラジオの出演者が話しているのを聞き、同感した。緊急事態宣言が再び発令されたことではない。コロナが収束し、再生、再建、再興といった方向にかじを切る。希望につながる年になってほしいという思いである▼そんな心持ちにも通じるか。先日の取材で「予祝」という習わしがあることを知った。夢の実現を前もって祝うことで願いを引き寄せるのだという。まだ何も起こっていないのに先に喜んでおく。困難な状況にある中で前向きに生きることの大切さを教わった気がした▼ただ、現実は依然として厳しい状況が続く。長野労働局の発表によると、県内ではコロナの影響で解雇や雇い止めにあった人は1月25日時点で1766人に上る。「コロナ失業」と呼ばれる。特に非正規労働者のような立場の弱い人たちにしわ寄せが行きがちだ▼もっとも、派遣切りなどの問題は2008年のリーマンショックのときにもクローズアップされた。不安定な雇用制度の見直しの必要性が指摘されながら、あまり進んでいないように感じる。そんなひずみの上に成り立っている社会は健全と言えるのか▼まずは感染拡大に歯止めをかけることが最優先課題だが、コロナによって見えてきた課題も多い。単純にコロナ前に戻すのではなく、社会の在り方を再考、再構築していく姿勢が求められているのではないか。

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