2021年2月1日付

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まちの花屋さんを訪ねてみると、桜の花が咲き始めていた。生け花用の花材として仕入れているという切り枝だった。まだほんの2、3輪といったところだったが、枝にはつぼみがたくさんついていた。開花が目前なのか、ピンク色をしているつぼみもいくつかあった▼県内では4月に咲くのが当たり前の桜を、2カ月以上も早く見ることができて幸せな気分になった。店の中を見回すと、スイートピーやフリージア、ラナンキュラスが花を咲かせ、チューリップがつぼみを膨らませている。お店の人は「花屋さんはもう春ですよ」と話していた▼季節を適度に先取りしたものには、つい手が伸びる。例えば和菓子屋さんの店先に「桜餅」の張り紙が出ているのを見れば、食べてみたくなる。多分、春先に食べたことがあり、その記憶が季節感となっているのだろう。春の到来を味や香りで実感したいと心のどこかで思っているからかもしれない▼花屋さんに尋ねると「春の花は、黄色やピンク色」と教えてくれた。確かに福寿草も水仙も菜の花も黄色で、桃や桜はピンク色だ。春を感じる色として多くの人たちの記憶の中にあるのだと思う▼新型コロナウイルス感染拡大が収まらず、我慢の冬を過ごしている。間もなく立春を迎えるが、本当の春が来るのはまだまだ先。緊張と不安の毎日だが、春色の花で季節を先取りし、せめて気持ちぐらいは明るくしたい。

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