諏訪湖カワウの食性調査1年 信大笠原助教

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上川のカワウのねぐら近くでふんやペリットを集める笠原助教=1月20日、諏訪市の上川右岸

信州大学理学部付属湖沼高地教育研究センター諏訪臨湖実験所(諏訪市)の笠原里恵助教(44)=鳥類生態学=が、諏訪湖や周辺河川に生息する魚食性鳥類カワウの食性を魚の骨といった未消化物の塊「ペリット」やふんを用いて調べている。食性調査を通じ、諏訪湖や河川の水中と水上の生態系の研究に役立てる。今年は並行してマイクロプラスチックの水鳥への影響も調べる方針だ。

カワウの食性調査は2020年1月に開始し、今年1月でちょうど1年が経過した。漁業に対する食害が問題化しているカワウは漁期や釣りのシーズンに合わせた食性調査はあるが、年間を通じた調査は国内では05~06年に琵琶湖で行われたのみ。諏訪湖の結氷の影響を調べるため、今冬と湖が凍らなかった昨冬との比較も研究対象とした。

諏訪湖の魚と魚食性鳥類との関係のような水中と水上の関係性の調査は水中の生態系と比べると、研究例は少ない。例えば、湖の主要水産資源のワカサギに対するカワウの食害が問題とされている一方で、ワカサギを捕食する外来生物のオオクチバスを主に食しているとの指摘もあり、はっきりとした裏付けはないという。

マイクロプラスチックの調査は昨年10月、水鳥の観察のため湖上に設置したカメラの上に落ちていたペリットの中から約1センチ角のプラスチック破片が見つかったことを機に、調査の必要性を認識するようになった。笠原助教によると、海と比べ、湖沼のマイクロプラスチックに関する調査は全国的にもあまり進んでいないという。県環境保全研究所(長野市)は昨年、諏訪湖の湖底からマイクロプラスチックが見つかったことを明らかにした。

笠原助教は「諏訪湖の生態系を理解する上では、水中と湖の外にいる鳥との関係も見ていく必要がある。海だけでなく湖や川に生息する鳥に対するマイクロプラスチックの影響も調べたい」と話している。

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