台風の進路 日本列島が通過ルートに

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いつもと違って、今年は台風のたどる進路が何か変だ。台風1号の発生が遅かったこともあるが、7月下旬以降の1カ月足らずの間に2~11号が相次いで発生し、北海道には立て続けに三つの台風が上陸した。太平洋上で停滞していた10号は、勢力を一段と強めながら進路を東寄りに変えて北上を始めている。本州を直撃する恐れも出てきた。今後の台風の動きには十分な警戒が必要だ。

通常であれば、台風は日本列島に張り出した太平洋高気圧のへりに沿って北上する。だが、今年は事情が違う。例年だと東側にある太平洋高気圧が西側に張り出して来るが、西側のチベット高気圧の勢力が強いため、日本列島を挟み込むような配置となっている。

この二つの高気圧が今年の台風の進路に異変をもたらした。7号もそうだったが、連続して発生したトリプル台風のうち、11号と9号も東西にある高気圧の間をすり抜けるようにして東日本や北日本に接近し、上陸するという珍しいルートをたどっている。

北海道では8月に入ってからのわずか1週間で、7号に続いて11号、9号が次々と上陸し、各地で河川の氾濫や農作物に甚大な被害をもたらした。1年間に台風が三つも上陸したのは観測史上初めてのことであり、これだけをとっても今年の台風が通った進路の異常さが分かる。

7月下旬から台風ラッシュが続いているのも東西にある高気圧が原因とされている。東側にある高気圧によって北を通る偏西風が大きく蛇行し、冷たい空気が日本の南の太平洋上に流れ込んだ。その一部が切り離されて出来る「寒冷渦」(寒冷低気圧)が、暖かい海上の空気と接触することで上昇気流が生まれ、8月だけで七つの台風が発生した(27日現在)。

南米ペルー沖の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が今春終息した。その後は台風の発生数が少なくなると言われているが、気象庁によると今後しばらくは台風が発生しやすく、日本に近づきやすい状況が続く見通しだ。

進路を東寄りに反転し、列島に向かって北上を始めた10号の最新情報には注意したい。台風の中心や進路から離れていても短時間にまとまった雨が降る恐れがある。土砂災害や河川の氾濫などに警戒し、早めの対策を講じたい。

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