迫る御柱祭[第2部]つなぐ 2、富士見地区ラッパ隊

LINEで送る
Pocket

高らかな響きで曳き子を鼓舞するラッパ。富士見町の富士見地区ラッパ隊に今回、初めて中学生が2人加わった。「吹き手の感覚が頼り」の難しい吹奏技術を体で覚えようと、先輩隊員の指導を受けながら特訓を重ねている。

富士見中学校3年の新田楓さん(15)=塚平=と、名取愛未さん(14)=松目=で、新田さんは、消防の分団長を務めた父の演奏する姿にあこがれて参加。名取さんは、中学の吹奏楽部を引退した後も楽器の演奏を続けたくて隊に加わった。

演奏に使う消防ラッパは、唇の動きだけで音程を変えるため、「練習を重ねて感覚を体で覚えるほかに上達の道はない」(隊員)といい、技術の伝承も難しい。新田さんはラッパを手にするのも初めて。吹奏楽器の演奏経験がある名取さんでも、「キーがないので音程が取れなくて、初めは難しかった」という。

御柱祭のラッパ隊は、荒々しい力仕事が多い祭りの中で、女性や子どもが活躍できる数少ない場。これまでは現役の消防団員が主体だったが、祭りの若い担い手が減り、今回は消防団OBから女性、子どもまでが隊の主役だ。

演奏の手ほどきをしている元音楽教諭の折井剛さん(40)は、「御柱祭のラッパは、地域のさまざまな世代の仲間が一緒に演奏する楽しさがある。10代~60代まで年齢の幅広さは富士見ならでは。ラッパ吹奏を通して祭りに参加した実感や地域に溶け込む喜びを味わってほしい」と願っている。

隊長の折井文明さん(50)は、「人口が減る中、後継者を育てなくては、という思いは強い。これからは若い人たちにどんどん加わってほしい」。ラッパへの興味から消防団への入団、地域の担い手へと将来への期待を込める。

中学生の参加で隊の雰囲気も明るさを増した。法被も、従来の勇ましいトラや龍に代わり、桜の花のデザインに一新した。女性や中学生の参加への配慮といい、「勇壮な祭りの中にも華やかさのある演奏を目指したい」(折井隊長)と意気込む。

初めて袖を通した新田さんと名取さんは、「うれしい」「隊の一員になれた気持ち」と笑顔をみせ、大人たちに交じって威風堂々と音色を響かせた。

おすすめ情報

PAGE TOP