2021年2月9日付

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かつての父の職業はトラックの運転手。若い時は、つづら折りの峠道でキレのある走りを見せていた。その父が80代中盤に差し掛かろうとした3年前、運転免許証の更新を望んだ。私は何も言わなかったが、内心は無事故を願う3年間だった▼昨年、次の免許更新時期が迫ると、父は「まあ、やめだ」と言って更新をせず、自動車から免許がいらない電動カーに乗り替えた。その判断に安堵し「車を運転して人さまを巻き込むと大変だで」というと母も免許を手放す気になった。最近は両親を車に乗せて走る機会が増え、それはそれで心地いい▼県警によると2019年に県内で運転免許証を自ら返納した人は9575人。県内は山間地が大半で商圏や公共施設から離れた民家も多く、生活から車の運転を切り離すことは容易でない。誰もが返納には相当の苦悩をしたはずだ▼知人のお巡りさんによると、高齢者に多い交通事故は出合い頭の衝突。加齢による動体視力の低下で速度に対する恐怖心が増し、走行速度は落ちるが、若い時のようなメリハリのある判断ができず、思わず停止線を越えてしまうようなことが起こるという▼お巡りさんの話では、自動ブレーキや車間距離制御の機能が付いた車の活用も事故防止対策の一つ。長く運転するこつは「体も頭も心も健康でいること」。その一つでも病み始めたら免許の返納を考える時期とアドバイスした。

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