脳腫瘍に新検査方法 信大医と高島産業など開発

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信州大学医学部付属病院(松本市)と精密部品加工や医療関連部品製造の高島産業(茅野市)などは9日、オンラインで会見し、新しい脳腫瘍の検査方法「ボーリングバイオプシー法」と、検査に使用する専用の針を開発したと発表した。従来の方法と違って、患者の体の負担軽減と診断の高い確実性を両立させたことが特徴という。

従来の脳腫瘍の検査には開頭して実際に腫瘍を見て診断したり、MRI(磁気共鳴画像措置)の画像を基に針を刺して腫瘍の一部を採取したりするなどの方法がある。診断の確実性は高いものの患者への負担が大きかったり、または患者への負担は少ないものの診断の確実性が低かったりという課題があるという。

ボーリングバイオプシー法は、土木技術のボーリング調査のように検体を採取する方法。専用の針は直径4ミリ、全長110ミリの二重の筒で、針を頭に刺し入れ、内筒で検体を採取後に外筒をすぼめて内筒にふたをして取り出す。

同病院脳神経外科講師の荻原利浩さんは「(従来の方法と違い)正常な組織から腫瘍の中心部までの変化を知ることができる革新的で画期的な術式」と話した。

針を開発した高島産業開発本部長の遠藤千昭さんによると、針の外筒のふたの部分に形状記憶合金を使い、しなやかで精巧な動作を実現した。同社は10年にわたって、消化器系の治療のために埋め込む網状の筒「ステント」の開発に携わっており、遠藤さんは「経験が生かせた微細加工技術」とした。

開発は信州大学学術研究・産学官連携推進機構とNPO諏訪圏ものづくり推進機構が支援。2019年2月から試作を進め、同年6月に高島産業が特許を出願。信大医学部で動物実験や臨床実験を重ねてきた。商品化を担当したフジタ医科器械(東京)によると、早ければ今年の春ごろから販売される見通しという。

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