地区の防災力強化 富士見町が初動マニュアル

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各地区自主防災会の活動を支援しようと作成した初動マニュアル

富士見町は、地域の自主防災力の強化に乗り出した。今年度、新型コロナウイルス感染症への対策も盛り込んだ災害時の自主防災会の初動マニュアルを策定し、防災士の資格取得費用を全額助成。3月には初めて各地区のための全町防災訓練を実施する。

町内では2018年に八ケ岳山麓で土石流や広域停電、19年には町内18集落、約3600人に及ぶ避難勧告を発令するなど被災した。この際、地域が孤立し、地区内の自助・共助の重要性が改めて分かった。

マニュアルはこれを教訓に昨年6月に策定し、今年1月に新型コロナ対応を取り入れて改訂した。各地区での警戒本部、対策本部設置のタイミングや避難、消火、救出救護など担当役員の動きを明文化。被害や天候の状況、住民の実情で臨機応変、自主的な判断、行動を基本に据えている。その自立を支援するため、町民が防災士の資格を費用負担なしに取得できる補助制度も新設。来月の取得講習に向けて各地区から受講者を募っている。

今春、初めて行う防災訓練は、区の役員改選後、間もない時期から一日も早く防災体制を整えてほしいと企画した。マニュアルに照らし合わせて住民避難の方法や避難所開設の仕方などを実践、検証してもらう。18年の土石流災害に学ぶ企画展示と講演会も開く。また、訓練本番に向けて事前講習会を来月、各地区防災会役員向けに開くなどサポートに余念がない。

地域でも準備に動き始めている。高齢世帯が多い小規模集落の花場区では「感染防止で避難所の受け入れ可能人数が少なくなり、地元公民館では収容しきれない。避難したくない、というお年寄りも多い」とし、「外部の助けなく自宅でしのげるよう、日頃からの備えを呼び掛けたい」(五味次男区長)という。一方、岳麓の乙事区では「災害時の対応力はあるが、区民の防災意識を高めるのが難しくて」と五味広幸自主防災会長。春の訓練でまず役員の啓蒙から―と目標を定める。

各地からは「避難先、避難方法が多様になり、住民個々の安否の確認が難しくなりそう」との懸念も多く聞かれる。地元公民館ではなく、区外の親類や友人宅、町直営の二次避難所、車中などへ分散する住民の情報をどうつかむか。「町との情報共有はこれまで以上に密にしなければならない。全町の体制づくりが必要」(樋口義光木之間区長)と次の一手を求める声も上がっている。

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