2021年2月14日付

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「オリンピック憲章」というものを初めて読んでみた。五輪精神の根本原則や規則を成文化したもので、五輪の活動に関する基準であり、大会の開催の条件を定めるものとされている▼この根本原則には七つの条項がある。組織委会長の女性差別的発言はこの精神に反すると批判されたが、それらを含め「人間の尊厳の保持」や「平和な社会の推進」「人類の調和のとれた発展」など崇高な理念が掲げられている▼無論、五輪の開催を通じてこうした理想を実現させていくという部分もあるのだろう。ただ、一連の騒動では海外の人たちの方が敏感に反応しているように見え、自分の国際感覚とのズレも痛感した▼SNSでは「わきまえる」という言葉も波紋を広げた。控えめを良しとする古典的な日本の女性像を言い表しているように見えるが、ある外国人のコメンテーターが英語では「立場を知れ」という意味もあると紹介していた。びっくりするような強い言葉である。その意味でも海外の人たちには受け入れられないことだったのだろう。それらも含めて世界に発信されてしまったとすれば重ね重ね残念である▼”逆ギレ会見”と言われた会長の発言の中で「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」と記者に詰め寄る場面があった。その懸念にはある意味同感である。単なる失言問題として矮小化せず、普遍的な課題として向き合っていく必要がある。

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