諏訪地方角寒天づくり 今季は順調に推移

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弾力のある生天を干し台に並べる従業員ら。師走から「てんや日和」に恵まれ、今冬の生産は順調に推移した=昨年12月、茅野市の五味喜一商店

諏訪地方の冬の寒さを利用した角寒天づくりで、県寒天水産加工業協同組合(茅野市)加入業者の多くが今季の生産をほぼ終えた。シーズンを通して朝晩は適度に冷え、日中は晴れることが多く、生産は順調に推移。「生産面でこれほど恵まれた年は記憶にない。陽気のおかげで品質もいい」との声が聞かれる。一方、コロナ禍で需要面は厳しく、組合では寒天の健康効果をPRしながら消費拡大を図る。

五味喜一商店(茅野市)は昨年12月4日から、原料となる海藻を大釜で煮出し、生天を寒風にさらす「天出し」を開始。今月12日朝に最後の天出しを終え、今季の生産は大詰めの段階だ。

凍る、解けるを繰り返して仕上がる寒天。同商店の五味昌彦さんによると、朝は氷点下5度まで冷え込み、日中は晴れて5度前後まで上がるのが理想で、今冬はそうした”てんや日和”が続いた。記録的暖冬だった昨季は60日にとどまった煮出し日数も、予定通り70日に到達。「寒すぎても乾燥が滞ったり、従業員の負担が増したりする。ちょうどいい寒さだった。自分は1992(平成4)年からこの仕事をするが、こんなに恵まれた年は初めて」という。

今季の生産をほぼ終えたイリイチ(同市)の小池隆夫さんは「天候のおかげで品質もいい。暖冬に悩まされ続けてきたが、久しぶりにいい年になった」と安堵の表情。かのう(諏訪市)の松木久茂さんも「季節外れの雨は誤算だったが、作業効率を悪くする大雪もなく、予定数量を生産できた」とする。

感染症の影響による”巣ごもり生活”で、健康食品でもある寒天の需要は昨年春ごろから回復。ところが、観光需要喚起策の一時停止や、大都市圏などへの緊急事態宣言の再発令を機に土産用などの需要が落ち込み、再び厳しい状況になっているという。

同組合では、ホームページにさまざまな寒天レシピを掲載し、「こんな時こそ、寒天生活を」とアピール。「寒天の日」(16日)に併せて、生天を無料配布するPRイベントは休止するが、五味徳雄組合長=茅野市・マルゴ商店=は「レシピを参考に各家庭で寒天を使ってもらい、(地域内需要が高まる)来年の御柱年に向けて消費が拡大していってほしい」と願っている。

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