2021年2月22日付

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諏訪地方で生産が盛んな切り花のアネモネは、12月から2月が出荷の最盛期。原村の生産者、伊藤佐九次さんのハウスでも赤や白、ピンクなどの花が咲き競い、ひと足早く春らんまんの景色が広がる▼中央に15本ほどの支柱が立ち並ぶ伊藤さんのハウス。いまから約20年前、複数回の大雪でハウスをつぶした苦い経験がある。育ててきた花は家族のような存在。二度と繰り返すまいと、降雪期前の支柱立てを続ける▼八ケ岳山麓で1メートル超の積雪を観測し、農業施設の倒壊が相次いだ2014年2月の豪雪で、伊藤さんの頑強なハウスは被害を免れた。降り始めから融雪を促す暖房をたき、自身と家族の身の安全を第一にしながらハウス周辺の雪をできる限り片付けもした。「毎年大雪がくると考えている」。その心構えはいまも変わらない▼茅野市内で先日、冬季五輪2大会に出場したスキー選手の畑中みゆきさんにお会いした。宮城県塩釜市出身。東日本大震災の津波でおじを亡くしている。「おじの分まで私ができることを」と地元の復興支援に乗り出し、スポーツで笑顔を増やすNPO活動にも力を注ぐ▼「地震や水害、大雪…。今回のコロナも災害と思う。自分と家族の命を守るためにとにかく備えてほしい」。先を見据え、目標を立て、ひたすら準備に励むアスリート。震災から10年、五輪と震災を経験した畑中さんが信州の人に寄せたメッセージだ。

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