2021年2月23日付

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県信濃美術館から名称も建物も改まって4月10日に開館する県立美術館のロゴマークが発表された。「NAGANO」「ART」「MUSEUM」の頭文字を「NAM」と並べて木立に見立て、水面に映っている様子を図案化している▼初見では古代の文字のような不思議な印象を受けるが、説明が一言あると膝を打つ意匠だ。デザインした宮崎桂さんは水鏡に映る木立を信州の特徴的な情景として思い描いたという▼個人美術館が県立美術館に隣接している東山魁夷の作品に、茅野市の御射鹿池がモデルとされる「緑響く」など、美しい水鏡を描いた作品があることも発想の源になっているそうだ。ちなみに、円の中に「ナ」が描かれている長野県の県章も実は「ナ」の横棒を境界線に、山が湖に映る姿を表していることをロゴデザインの発表の場で宮崎さんが紹介していた▼水鏡のある風景が魅力的なのは神秘性を感じさせるからだろうか。古来より鏡は祭祀の道具でもある。実物より鏡に映ったものの方に目が引き付けられるのも不思議だ。「〇〇は時代(社会)を映す鏡」という、よく使われる言い回しも思い出される▼弊紙を検索してみると「〇〇」の例として「大河ドラマ」「子ども」「歌」「教科書」などが見つかる。「キャバクラ」まであった。この文章が掲載されている新聞紙面の記事も広告も鏡の一つだ。きょうは何が映っているだろうか。

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