新型コロナ 長野県内初確認から1年

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新型コロナウイルスの感染者が県内で初めて確認されてから25日で1年となる。感染者数は24日までの公表分で累計2358人、うち諏訪地方関連は143人。死者は県全体で41人に上る。この間には三つの感染の「波」が訪れ、「第3波」が急拡大した今年1月の感染者は千人を超えた。現在は小康状態で、ワクチンの先行接種も始まったが、本格的な接種に向けた方針には不透明な部分が多く、収束はいまだ見通せない。

昨年2月25日、発症前に北海道と東京都の滞在歴があった県松本保健所管内の60代男性の陽性が判明した。諏訪地方では4月4日に1例目が確認され、これまでの計143人は県内11の保健所管轄地域別で4番目に少ない。それでも、年明けに感染拡大がみられたほか、昨年は医療従事者の感染で緊張感が高まった場面もあった。

県全体では、4月を中心とした第1波は76人、8月などの第2波は267人の感染にとどまったが、最大となった11月以降の第3波は2千人を超えた。三つ目の波では、年末年始の人の移動や会食などが要因となり、年明けに急激な拡大につながった。1月7日に1日当たり最多の79人の公表があり、5~11日には1週間で最多の429人を記録。これに伴い病床が逼迫し、県が確保可能とする病床の「実質使用率」は最高で62・3%(17日時点)に達した。

1月後半からは感染者の減少傾向が続き、現在は落ち着きをみせているが、2月上旬には県外で感染したとみられる県内居住の20代男性から英国などで報告されている変異ウイルスが検出されるなど、対策の継続が求められている。

一方、死者は8月31日に初めて確認され、第3波の死者が全体の85%を占めた。高齢者や基礎疾患がある人が多く、県は第3波に医療機関や高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が多数発生したことを増加要因とした。居住地については公表されておらず、諏訪地方で該当者がいるかは分からない。

そうしたなかで切り札として期待されているワクチン接種は、国が主導する医療従事者への先行接種が始まり、県内では信州上田医療センター(上田市)で実施されている。その他で県が体制整備を進める医療従事者(県内対象約6万人)への優先接種は、3月に計1万5600回分のワクチンが届く予定。ただ、接種開始の時期は明らかにされておらず、市町村などが進める高齢者や一般向けの接種に向けてもはっきりとした先行きは見えてこない。

県はこの間の感染対策として、松本市や佐久市など感染拡大がみられた地域を限定して飲食店に営業時間の短縮などを要請。検査や病床数の増強などの対応に追われた。阿部守一知事は1年を振り返り、「まったくの手探りだった1年前と比べて知見が蓄積され、対応力も上がっている」とし、「当面の課題はワクチン接種をしっかり進めていくことだ」と述べた。

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