井月の木刀? 宮田にあった

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正木屋酒店の蔵座敷で見つかったレンコンを模して作られた木刀

正木屋酒店の蔵座敷で見つかったレンコンを模して作られた木刀

江戸末期から明治初期に伊那谷を漂泊した俳人、井上井月(1822~87年)が持っていたとみられる木刀が、宮田村町二区の正木屋酒店の蔵座敷で見つかった。かつて酒造業を営んだ正木屋には、井月が漂泊生活の中でしばしば訪れ、半年ぐらい滞在することもあったといい、「出どころからして、本物の可能性がある」と研究者らの間で話題となっている。

木刀はカシ材とみられ、長さは61・5センチ。レンコンを模して作られ、節の部分にカタツムリの彫刻が施されている。井月の身なりについての証言の一つに「蓮根二節を鞘に蔓を巻きつけた木刀を持って居たそうだ」(奇行逸話「井月の袴」)があり、2節のレンコンを模した現物とも一致している。

県文化財保護指導委員の建物調査に同行した染色工芸家で井上井月顕彰会理事の細田伊佐夫さん(82)=同村町三区=が25日、正木屋の蔵座敷の脇床の柱に立ててあった木刀に気付き、当主の山浦正弘さんから現物を借りて、詳細を調べていた。

「井月は器用で、落款も自分で作っている。カタツムリの彫り物は、 家を背負ってゆっくりと歩む姿を自分自身と重ね合わせたのではないか」と細田さん。「井月が善光寺の山内宝勝院主梅塘とじっこんだったことを考えると、蓮を彫っていることにも仏教的な要素を感じる」と話している。

見つかった木刀は、9月3日開幕の「第4回千両千両井月さんまつり」の関連イベントとして、伊那市荒井のいなっせ2階ギャラリーで 開催中の書と染め物作品展「井月さんの部屋」に出品。4日まで公開する。

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