上農高学科改編 巣立つ1期生

LINEで送る
Pocket

3年間の学習をまとめたGLコース成果発表会。将来、古里で暮らしたいかを問われ、何人もの生徒が手を挙げた

上伊那農業高校(南箕輪村)が学科改編をして間もなく3年となり、新4学科8コースで学んだ1期生が卒業する。「上農で、わたしと伊那谷をデザインする」をスローガンに農業を学び、地域の課題を見つけて探究的な学習に取り組んだ生徒たちは3年間で何を得たのか―。進路も決まり、新たな一歩を踏み出そうとしている生徒や、授業に関わった人たちを取材した。

コミュニティデザイン科里山コースでは里山保全や林産物利用、造園、測量などを学んできた。「地域課題の解決にチームで取り組んだ経験が力になった」と話すのは国立大学への進学が決まった有賀浩夢(ひろむ)さん。「放置林をなんとかしようと取り組んだことや、経木の活用を考えた体験が役に立った」と振り返る。

成長した生徒たちに、実習担任の新井理宏教諭は「地域との活動は1期生にとっていい体験になったはずで、学んだことをそれぞれの進路で生かしてほしい」とエールを送る。外部講師として森林資源の活用を教えた「やまとわ」の中村博社長は「ニューノーマルの時代に対応できる、当たり前ではない柔軟な発想力が身に付いていると思う」と評価した。

同科のグローカル(GL)コースでは、グローバルな視野を持って地域で活躍できる人材の育成を目指した。コース学習が本格化した2年前、コース主任の山下昌秀教諭は「教材は人。自己探求のスキルを磨き、自分を知り、地域を知り、課題を見つけて、将来の進路に結び付くような学びにしていきたい」と話していた。コロナ禍で3年次は計画通りの学びができなかったが、ICT(情報通信技術)を駆使して成果を上げてきた。

北原涼香さんは進学して心理学やカウンセリングを学ぶ。授業ではコミュニケーション能力を身に付けたといい、「GLに入っていなかったら心理学をやりたいなんて思わなかった。面と向かって人と話ができなかった私が、人に関わることでこんなにも積極的になれた」と笑顔を見せた。

2月14日に開いたGLコースの成果発表会。4月から県外で暮らす北原さんは「地元を離れても、いつか地域に貢献できる人になれるように、私たちはそれぞれの道で頑張る」と決意を述べた。発表を聞いた同コース支援コーディネーターでワイルドツリー代表の平賀裕子さんは「地域のいいところが分かっていれば、たとえ一度この地を離れたとしても戻ってきてくれる」と期待した。

おすすめ情報

PAGE TOP