2021年3月9日付

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県山岳総合センターが制作した学校登山120年の歴史を紹介する動画をユーチューブで見た。明治時代後半、博物学を志す教師たちが調査・研究のために地元の山に入り、生徒たちを引率していくようになったのが学校登山の始まりという▼同センターの別の動画では、明治時代になってからの学校教育では、それまでの読み書き中心の寺子屋の学習から、野外学習や科学実験など実践的な教育を取り入れるようになったと説明されている▼信州理科教育の分野を切り開いた志士を紹介する大町山岳博物館の企画展「博物学と登山」についての動画で、地元の自然の魅力を子どもたちに伝えようとした教師たちの情熱が学校登山の始まりにはうかがえる▼動画では学生服やはかまで登る当時の子どもの写真も挿入される。どの子も神妙な表情で、カメラ自体が珍しかった時代らしく、ほほ笑ましい。後半では昨年の白馬中の登山の様子も流れる。唐松岳山頂での生徒たちは実に晴れやかな笑顔だ。ピースサインではなく親指と人差し指でハートマークを作っているところにも時代の変遷を感じる▼企画展の動画は、山は科学、歴史、民俗など探求され得るあらゆる物事にあふれているとして、実際に登って体験的に学ぶことの価値を語る。昨年はコロナ禍で例年通りとはいかなかった学校登山だが、形を変えてでも続けようとした志の高さに今後も期待したい。

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