「経木」立体成型に成功 容器脱プラへ期待

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「経木」の立体成型について報告した県南信工科短期大学校の原勇太郎さん(中)ら

木製品の製造、販売などを手掛ける「やまとわ」(伊那市)と県南信工科短期大学校(南箕輪村)は8日、木を薄く削って作る包装材「経木」の立体成型に成功したと明らかにした。共同プロジェクトとして昨年から研究を進めていた。接着剤となる粉末寒天を溶かした溶液を経木に染み込ませ、2~3枚重ねて加熱圧着することで複雑な形状の成型も可能となった。プラスチックに代わる容器や食器への応用が期待される。

経木は主に食品の包装に使われる。やまとわは地域産材の活用を目指し、地元産アカマツを使った経木を商品化、昨年から販売を開始した。市も森林資源の活用による二酸化炭素削減や脱プラスチックに向けた取り組みとして積極的に後押ししている。

今回のプロジェクトは経木のさらなる利活用を目指し、同社の中村博社長が同校の中島一雄准教授に経木を使った製品の共同研究を持ち掛け、機械・生産技術科2年の原勇太郎さん(20)が卒業研究として取り組んできた。

原さんは弁当の小分け容器と皿の2種類の金型を作り、試作を行った。経木はそのままだと紙のように柔らかく、木目の方向に裂けやすいといった特性がある。このため、木目が交差するように重ねることで強度を高めた。

接着剤も自然素材にこだわり、最初はでんぷんのりやライスペーパーを試したが、うまくいかなかったという。試行錯誤の結果、寒天メーカーの伊那食品工業(同市)の粉末寒天に行き着いた。

この日は中村社長、中島准教授、原さんらが市役所を訪れ、白鳥孝市長に研究成果を報告した。試作品を手にした白鳥市長は「もう商品化できそう。素晴らしい」と評価し「伊那から脱プラスチックへ変えていくことができる」と改めて期待を寄せた。

中村社長は「生分解性のため、環境にやさしく、分解に要する時間も短い」と強調。中島准教授は「複雑な形状も成型でき、さまざまな用途に応用できる」とした。引き続き耐水性や耐熱性などのデータを積み上げ、商品化につなげていきたい考えだ。

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