2016年09月01日付

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ちょうど1年前、危機管理教育研究所という民間組織の代表を務めている国崎信江さんの講演を聞いた。自然災害から事件、事故まで身の回りにあるあらゆる危険から身を守るための対処法を研究し、知識を広めている団体である▼講演は地震災害がテーマだった。1995年に発生した阪神淡路大震災がもたらした被害の甚大さに衝撃を受け、この道へ進んだという国崎さん。首都直下型地震や南海トラフ地震など切迫する巨大地震に備え、最新の知見に基づいた防災対策を講じるよう訴えた▼「地震が起きてからでは何もできない。事前の準備が全てになる」と繰り返し強調していた。6400人余の尊い命が奪われた阪神淡路大震災の場合、強く揺れた時間は15秒程度だったという。備えの有無が生死を分けることもある。過去の震災から学ぶ点は多い▼2016年版の防災白書によると、非常食の常備や家具の固定など、災害への備えに取り組んでいる人は4割弱にとどまった。自然災害に対する危機意識が地域や年齢によって差があることも明らかになった。災害はいつどこで起きるかわからないと肝に銘じたい▼関東大震災に由来する9月1日の「防災の日」に前後して、各地でさまざまな訓練が行われる。連続して震度7の揺れに襲われた熊本地震で、再び「想定外」という言葉を聞いた。新たな教訓を生かし、地道に備えるしかないのだろう。

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