伊那谷の民俗後世に 向山雅重の写真電子化

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向山雅重が撮影した写真資料を保存したデジタルアーカイブ=伊那市伊那図書館

伊那市伊那図書館が作成を進めていた宮田村出身の民俗学者向山雅重(1904~90年)が撮影した写真資料のデジタルアーカイブ(電子化保存)が完成した。資料の整理に取り組んだ「向山資料保存会」から寄贈を受けて所蔵する2万点のうち、2000点をデジタル化。伊那谷を中心に昭和20~50年代の人々の暮らしぶりや伝統文化を伝える白黒写真で、資料的価値が高いとされる。13日から同館ホームページで公開する。

向山は上伊那地方の小中学校で教壇に立つ傍ら、民俗研究を志し、伊那谷を中心に県内各地で農作業や祭りなどを調べ、写真や野帳で記録した。民俗学者の柳田国男らに師事し、70年に柳田国男賞を受けた。

アーカイブの写真資料は、保存会が製作した写真集「伊那谷の民俗」を参考にして選別した。「衣・食生活」「民家と生活」など九つに分類し、撮影した日と場所も記載。「祭と芸能」では、同市山寺に伝わる「やきもち踊り」や高遠町のだるま市、諏訪地方の諏訪大社御柱祭などがある。

同館によると、デジタル化によって劣化が進む写真を保存できるほか、多くの人の目に触れ、地域の再認識や研究への活用も期待できるという。作成には、図書館振興財団の助成金を活用した。

北原善昭館長(46)は「貴重な写真を後世に継承していく。当時の生活や地域を知るツールとしても使ってもらえたら」としている。

アーカイブの完成を記念し、13日午後1時30分から講演会を同館で開く。柳田国男記念伊那民俗学研究所(飯田市)の櫻井弘人さんを講師に迎え、写真を見ながら民俗学について話を聞く。アーカイブの閲覧体験もある。定員は30人。参加無料。問い合わせは同館(電話0265・73・2222)へ。

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