小売業でけが増加傾向 上伊那の労災

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伊那労働基準監督署(伊那市)は、上伊那管内の2020年労働災害発生状況をまとめた。休業4日以上の死傷者数は172人で、前年比16人増加。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来客数の増加や感染対策で多忙の小売業では、転倒などによるけがが増える傾向がみられた。

死者は前年比1人増の2人。4月には伊那市で切断した樹木と男性が激突して死亡したほか、8月には南箕輪村のダムで、児童施設勤務の男性が溺れた人を助けようとして溺死した。

傷者は「卸売業・小売業」が前年比8人増の22人。「社会福祉施設」が同12人増の18人となった。小売業では商品売り場やバックヤードでの転倒事故が多くみられ、福祉施設では無理な動作が要因した腰痛や捻挫が多かった。同署は「新型ウイルスの感染対策で、いつも以上に気を使う心理的な疲労が、けがを招く要因になった可能性が高い」とみている。

このほか、製造業全体の傷者数は61人で前年比8人減だったが、食料品製造業は25人で同3人増となった。年齢別では60歳以上の労働者の死傷者数が51人(構成比29.6%)で前年比7人増。労災が最も多い世代は50歳代で41人(同23.8%)だった。

一方、建設業は長年の労災対策が奏功して死傷者数の減少が続き、死者数は2018年から3年連続でゼロが続いている。

伊那労基署の西尾裕一朗署長は「コロナ禍で忙しい職場は、掲示物や朝礼等で事故防止の注意喚起を徹底してほしい」と助言。高齢者の事故防止は、厚生労働省が策定する対策集「エイジフレンドリーガイドライン」を参考に「安全対策をお願いしたい」と述べた。

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