諏訪市湖南診療所 24日で閉所

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閉所を前に湖南診療所を訪れた小松佳道医師。診察室の机に手を置き、地域住民、患者との思い出を振り返る

諏訪市湖南診療所が24日で閉所する。村内に医師がいない無医村だった湖南村が諏訪市と合併する条件に診療所の設置を盛り込み、1955(昭和30)年の合併から2年後の57(同32)年に開設された同診療所。それから64年間、湖南地区住民の安心の拠り所であり続けた。市豊田診療所の所長だった小松卓郎医師から始まり、道俊医師、佳道医師の三世代が支えた同地区の地域医療に地元住民が感謝の気持ちを寄せている。

湖南診療所は湖南小学校の隣接地にある。57年に地元の要望を受けて市が県に診療所開設認可を申請し、同年12月26日に設置された。木造平屋建てで延べ床面積は109平方メートル。60年(昭和35)年には市保健事業の一環として山間地出張診療制度が始まり、上野、覗石、板沢、後山での巡回診療が同診療所を拠点に行われるようになった。卓郎医師逝去後は息子の道俊医師が引き継ぎ、2013年からは道俊医師の子、佳道医師が担当している。

卓郎医師は午前は豊田診療所、午後3時から湖南診療所と山間地域診療を担った。跡を継いだ道俊医師が体調を崩した後は湖南診療所の開設日をそれまでの週4日から週2日に減らし、12年からは佳道医師が諏訪赤十字病院(諏訪市)の勤務(当時)と並行して同診療所での診療も担った。この間、地区内に別の診療所ができ、湖南の医療環境は充実。近年は徐々に診療日数を減らしてきたが、開所日には、地域住民らが集まり、レトロな雰囲気の待合室はまるで地域サロンのような穏やかな雰囲気に包まれている。

閉鎖は建物の老朽化などが理由。現施設は耐震化が必要で漏電の危険性もあり、継続を断念した。佳道医師(諏訪豊田診療所院長)は「地域の皆さんの力に支えられ、三代にわたって診療所を続けてこられたことに感謝したい。開所日に足を運んでくれる患者さん、地域の皆さんを思うと申し訳ない気持ちだが、万が一のことを考えると、やむを得ない」と話している。山間地の巡回診療は引き続き担う。

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