園芸ハウスをIoTで管理 諏理大研究室

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可視化されたデータを携帯端末で確認できることを解説する松江英明教授(中央)

公立諏訪東京理科大学(茅野市)の松江英明教授(副学長、大学院工学・マネジメント研究科長)の研究室は22日、駒ケ根工業高校と共同開発したIoT(モノのインターネット)スマート農業システムを関係者に公開した。農業用園芸ハウス内のセンサーで取得した各種データを蓄積、加工、可視化するシステムで、管理作業の省力化や標準化、作物の安定生産・高品質化などへの効果が期待される。

駒ケ根市北の原の「いちご園みつこ屋」のイチゴ栽培ハウスを使って2015年度に始めたICT(情報通信技術)を使った農業用園芸ハウス管理の実証実験を発展させ、18年度からIoTスマート農業システムの開発を進めていた。

低消費電力で長距離の通信が可能な無線通信技術を使ってセンサーからデータを送信。研究室で新たに開発したアプリケーションサーバーをクラウド上に開設して、データの蓄積と整理、携帯端末での可視化を図った。生産に重要な影響を与えるハウス内の温度は、限界値を超えそうな場合にメールで知らせる機能も加えた。
 
データの可視化について松江教授は「かなり完成度の高いものになった」と説明し、「今後AI(人工知能)を使って経験的に分かっていることを数値化すれば、収量予測につなげることもできる」と展望した。

新システムの公開を兼ねた検討会には地元のイチゴ生産者や行政の担当者ら10人が参加した。説明を聞いた生産者は「土壌EC(電気伝導度)の変化が見られるところなどは使えそう」と興味を示した。実験農場として栽培ハウスを提供した神野幸洋さんは「農家は高齢化しており、今後はいかに使いやすくするかだ。普及を目指すのであれば民間の事業者を育てる必要もある」と意見を述べた。

今後はセンサー付き無線端末の電源確保や蓄積したデータの活用、他品種の生産現場への応用などを研究する。

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