2021年3月26日付

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10歳の長男と6歳の次男が口ずさむ歌が「香水」から「うっせぇわ」に変わった。流行歌とはいえ、興味や関心が移り変わる早さは何とも残酷だ▼ネット上に毎日配信されるニュースや出来事ともなれば、渓谷の奔流にのみ込まれた気分になる。玉石混交の情報が氾濫し、日々上書きされていく。不機嫌な感情が充満したコメント欄を漫然と眺めては、無関心を装う自分がいる▼SNS上で誹謗中傷され、女子プロレスラーの木村花さん=当時(22)=が自殺した問題もそうだ。遠くから見ているだけだった。それが今、目の前に迫っている。花さんの死後にツイッターで中傷する内容を投稿したとして、母の響子さん(44)が茅野市の男性を相手取り、損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのだ▼本紙報道によれば、男性は「あんたの死でみんな幸せになったよ」「地獄に落ちなよ」などと中傷する投稿をしたとされるが、22日の第1回口頭弁論に出廷しなかった。閉廷後に会見した響子さんは「自分の犯した罪からは逃れられない。向き合ってほしい」と訴えた▼男性の投稿や響子さんのメッセージに対し、ある種の責任を感じるのは筆者だけだろうか。男性はこの地域に住んでいるのだ。そして、この文章を読んでいるかもしれない。誹謗中傷を生み出す温床が地域にあるとするならば、私たちは今何をすべきか。簡単に見過ごしてはいけないと思う。

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